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第4回:AIに権限をどう与えるか?エージェント時代に問われるIDの意義
Table of Contents
【TL;DR】(超要約)
- AIエージェントによる「プロセスの自動化」: 人間がツールを操作する時代から、AIが自らツールを選び、目的を完遂する時代への転換が始まっています 。
- 「AIのアイデンティティ」管理の必要性: AIエージェントが自律的に動く社会では、その行動に対する権限付与やガバナンスの管理が、新たなインフラ課題となります 。
- Tactnaによる開発の「枝刈り」: Tactnaが提供する標準的なB2Bデータモデルを活用することで、AIがアプリを自動構築する際の試行錯誤(計算量)を劇的に削減できます 。
- 5月のデモ公開に向けて: 「AIエージェントがTactnaを使って、数分でユーザー管理付きアプリを生成する」という未来のデモ開発に着手しました 。
はじめに
こんにちは、コーポレート部の麻生です。
今回の座談会は、昨年11月に代表の須藤がシリコンバレーから帰国した直後の、興奮と危機感が入り混じった報告から幕を開けました 。テーマは「AIエージェントが普及した社会におけるTactnaの意義」です。
シリコンバレーでは今、AI以外のトピックが霞んでしまうほどの激変が起きています。人間がツールを操作する時代から、AIエージェントが自律的に目的を完遂する時代へ。その大きな転換点において、私たちが開発するアイデンティティ管理プラットフォーム「Tactna」は、どのような価値を社会に提供できるのか 。
単なる「認証」の枠を超え、AIがアプリを作り、AIが業務を代行する未来の「信頼のインフラ」としてのTactnaの姿を、エンジニアの眞田、梅本と共に深く掘り下げました 。
1. シリコンバレーの熱狂と「AIエージェント」の実態

須藤: シリコンバレーに行ってみて感じたのは、AIの勢いは本当にとんでもないということだね。それまでの技術トレンドがどうでも良くなってしまうような、圧倒的な変化の渦中にあったよ 。ただ、世の中で「AIエージェント」という言葉がこれほどまでにハイプ(過熱)している中で、具体的に何が起きるのか、実体としてどう変わるのかが、まだ世の中には見えにくい部分があると感じている。みんなは今、このAIエージェントというものをどう解釈しているかな?
梅本: 現状で最も解像度が高いのは、やはり「ディープリサーチ」と呼ばれるものですね 。ユーザーが一つお題を出すと、AIが自らウェブサーチを繰り返し、情報収集をして、判断し、まとめてくれる 。単発の回答ではなく、AIが「自分でツールを使うかどうかを判断する」という点が、これまでのAIとは決定的に違います 。
須藤: なるほど。単なるチャットボットではなく、AIが裏側で様々なサービスを駆使して、人間がやるべき「面倒なプロセス」を完結させてくれるわけだね 。
梅本: そうです。ユーザーインターフェース(UI)自体はAIへの依頼に集約されますが、バックエンドではGoogle検索などの既存ツールをAIが使いこなす形になります 。AIの進化は、人間が面倒だと思うものを効率化する方向で発展してきましたが、AIエージェントはその究極の姿だと言えますね 。
眞田: 今は企画書を作ったりコードを書いたりするレベルですが、これが1〜2年、あるいは5年も経てば、より高度で自律的な業務遂行へと広がっていくでしょう 。
2. 迫りくる「ディストピア」とプラットフォーマーの独占
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須藤: そこで大きな問いになるのが、「そのエージェントを提供するのは誰なのか」ということだ 。
梅本: 基本的にはGoogleクラウドやAWSといった、インフラを握っている巨大企業でしょうね 。最近ではGoogleが最新のモデルを矢継ぎ早に出していて、OpenAIですら危機感を持っているという話も聞きます 。GoogleがGeminiをGmailやスプレッドシートといった自社のエコシステムに強力にビルトインしてしまえば、ユーザーはわざわざ他社のエージェントを使い分けようとはしなくなります 。エコシステムの利便性が個別の性能差を凌駕してしまう。これはある種のディストピア的な独占に近いかもしれません 。
須藤: 実際、アメリカのセールスフォースの動きも凄まじいよ 。彼らは「Agentforce(エージェントフォース)」というプラットフォームを出し、マーケットプレイスのパートナー企業に対して「1年以内にAIエージェントと組み合わせなければ、マーケットから落とす」という強気な姿勢を見せているらしい 。
眞田: 営業のパイプライン構築からクロージングまで、すべてをAIエージェントが完遂する。そんな世界を彼らは描いているわけですね 。
梅本: でも、巨大プラットフォーマーがすべてをカバーできるわけではありません 。製造業の現場で動くエッジAIや、特定のニッチな業務フローに特化したモデルには、依然として需要が残るはずです 。
須藤: その通りだね。独自のUI/UXや専門的なサービスを提供する「垂直統合型」のスタートアップには、巨大企業には真似できない価値がある 。例えばコールセンター自動化の「IVRy(アイブリー)」のように、特定のドメインで圧倒的なユーザー体験を提供している企業は非常に強い 。
3. 「エージェントのアイデンティティ」を誰が管理するのか
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須藤: 議論を深めたいのは、そうした専門的なエージェントが普及した際、それらをどう管理するかだ。例えば、ある大手製造業が、代理店向けに「設計図から必要な部品を選定し、見積もりと工事日程を自動で作成するAIエージェント」を提供したとしよう 。
眞田: そのエージェントを動かすためには、代理店側の担当者が「このエージェントに、自社のどのデータまで見せていいか」を許可する必要がありますね 。
須藤: まさにそこがTactnaの役割だ 。これまでは人間がIDを持ってログインしていましたが、今後は「AIエージェント」という新しいメンバーに対して、管理者が「この情報を読み取っていいよ」「このサービスにログインしていいよ」という権限を与える必要が出てくる 。
梅本: 現状でも開発者向けのツールで権限設定はできますが、今後はより「人間チック」に働くエージェントに対して、非エンジニアの管理者が直感的に管理し、誰がいつ何をやったかをトラックできる仕組みが求められます 。
眞田: 代理店のエージェントとメーカーのエージェントが互いに通信し合う際、その接続を「誰が承認し、どうガバナンスを効かせるか」 。Googleがプロトコルを作るかもしれませんが、個別のビジネスルールに基づいた独自の承認フローを実装するのは、各サービス側、つまりTactnaのようなアイデンティティ基盤の領域です 。
4. AI時代のアプリ開発における「枝刈り(えだかり)」理論
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眞田: 僕はさらに、Tactnaが「AIがアプリを作る時代」のインフラになれると考えています 。
須藤: AIがアプリを自動生成する際、Tactnaがあることでどんなメリットがあるんだい?
眞田: キーワードは「計算量の削減」と「枝刈り(えだかり)」です 。AIにアプリを開発させると、「B2Bならどんなデータモデルにすべきか」「サインアップのフローはどう設計するか」といった選択肢が膨大に発生し、試行錯誤のコストが跳ね上がります 。
須藤: なるほど。AIが迷ってしまうわけか 。
眞田: はい。AIは将棋の盤面評価のように、何百ものパターンから最適なものを選択しようとしますが、ここでTactnaが「B2Bに特化した標準的なデータモデル」をパーツとして提供していれば、AIはいちいち「データモデルをどうしよう」と考える必要がなくなります 。筋の悪い選択肢をあらかじめ排除できる。これが、AI開発におけるTactnaの「枝刈り」の価値です 。
梅本: AIが得意なのは特定の業務ロジックの構築ですが、認証や権限管理といった「低レイヤー」な部分は、使い回しのきく堅牢なインフラに任せるのが正解ですね 。AIが「この部分はTactnaを使おう」と勝手に判断するようになれば、開発スピードは劇的に上がります 。
5. 2026年5月、AIエージェントとTactnaが融合する未来への第一歩

須藤: 今回の議論で解像度が大きく上がったよ 。Tactnaは、AIエージェントの行動を管理する「ガバナンスポータル」であり、同時にAIがアプリを爆速で作るための「標準パーツ」でもあるわけだ 。
眞田: その証明として、5月までに「AIエージェントがTactnaを使ってアプリを作り、ユーザー管理まで自動で整える」というデモを披露したいと思います 。
須藤: それは素晴らしいね。例えば、ある製造業のカタログ検索サービスをAIが数分で作ってしまい、そこにTactnaが組み合わさって、代理店がすぐにサインアップして使えるようになるイメージだ 。
梅本: TactnaのポータルにAIチャットボットがいて、サービスを横断して見積もりまで完遂してくれるようなインターフェースがあれば、ユーザー体験は一気に変わります 。
須藤: よし、まずはセルフサービスでアプリを追加できる機能を最優先で進めよう 。AIエージェントという荒波の中で、僕たちが「信頼のインフラ」として機能すること。それが今後のTactnaの大きなテーマになる 。
編集後記
座談会の締めくくりに、須藤は「解像度が上がった気がするけれど、あと10巡ぐらい議論しなきゃダメだ」と、さらなる探求への意欲を見せました 。AIが自律的に動き回る未来は、決して「人間の管理が不要になる世界」ではありません。むしろ、AIという強大な力を「誰の権限で、どこまで許容するか」という、アイデンティティの根源的な管理の重要性は、これまで以上に高まっていくはずです 。
AI時代の幕開けとともに、ビジネスシステムはより高度に、より複雑になります。人間とAIが共生し、安全かつ効率的に価値を生み出し続けるための基盤。私たちは、その最適解をTactnaを通じて提供し続けます 。
AIを活用した次世代のビジネス基盤構築や、B2Bにおけるガバナンス強化のパートナーとして、Tactnaをぜひご検討いただければ嬉しいです。
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